What I think in Vietnam

ベトナム生活で日々ぼやーっと考えたことを書きます

【書評】『有名企業からの脱出』 冨山和彦著

こんにちは。

冨山和彦著『有名企業からの脱出』を読んだので、書きます。

 

冨山和彦さんは経営コンサルタントで、カネボウやJALなどの錚々たる企業の経営再生に尽力をしてきた人。

この本は「“会社病”を紐解く」ことを目的に月刊誌『ゲーテ』に連載したものをまとめて、加筆・修正したものらしい。

 

基本的には日本の大企業が陥りやすい日本的症状をまとめているものです。

書いてあること自体は正直目新しいものでもないですが、実例や社名などが頻繁に出てくるので読んでいて勉強になりました。

日本人の組織というのは、基本的にはムラ社会の行動パターンで動いてしまう。

 

社会の規範よりも、半径5メートルの同調圧力が勝ってしまう。 

 

小さな共同体、ムラ社会の中で「出世争いごっこ」「派閥争いごっこ」をやっているだけです。

 

外資系企業出身者らしく、この本の中では終始日本の組織のあり方や日本のサラリーマンを批判しています。

例えば、先例主義的な意思決定方法・生え抜き主義の社員構成・社内での派閥争いなど具体的な例をあげ、「クソ・サラリーマン」という言葉で強く批判します。

 

で、個人的に面白かったのは第6章「会社に左右されない生き方をどう見つけるか」という部分。

日本の特に高学歴者は特に下記のような状況なんじゃないかと思います。

多くの日本人は“出世競争”をやっています。小学校の頃から受験があり、偏差値の高い学校に行こうとする。そして就職となれば、今度は“就職偏差値”の高いところに行こうとする。(中略)ある意味で極めて同質的なゲームを小学校、中学校、高校くらいからずっとやっているのが、多くの日本人なのです。

実際に自分もそうだったなーと思います。いい中学校からいい高校、いい大学に入り、就職の時にはまさに“就職偏差値”みたいなものを気にしていたなーと。

でもそれってめちゃくちゃつまんないなーと就職後の22歳で気づきました。(遅すぎ) 

成功と失敗の尺度を全て他人に預けることになるので充実感がない。成果を出してもあまり嬉しくないし、失敗をしても納得感がない。

そこで色々考えた結果(このへんについては別の記事で書こうと、、、)として今ベトナムのスタートアップで働いています。

自分の思考と重なる部分を綺麗に言語化していて、とてもスッキリしました。

これからのビジネスパーソンはいかにして生きていくべきか。その答えは、とてもシンプルだと思っています。自分の成功や幸福の尺度を自分の中に持っているかどうか、ということだと思っています。 

 これだ。これに尽きる、と思いました。

それをしっかり自分の中に持っておけば、むやみに他人と比べたり(比べるのが大事な局面もたくさんあるけど)、自分を蔑んだりせず、ブレずに生きていけると思う。

内容に関しては、自己満足でいい。変に聞こえのいいものだと意味がない。

例えば金が好きな他人なら、金を幸福の対象にしても全然いいと思う。

 

そして、問題は「じゃあお前の成功や幸福の尺度って何?」って言われたらちゃんと答えられること。

そこについては、明確に言える部分もあるし、まだ迷っている部分もある。

これはしっかりと考えなければ。。。 

これに関しても今度記事で書こう。。。

 

そして、それを早く持つことが大事らしい。

多くの若い他人が勘違いをしてしまうのは、「年を経ていくと経験値が増え、社会的地位も上がるから、できることは増えていく」と考えていることです。そうではありません。むしろ、やれることは減っていきます。

これも正しいだろう。

ある程度の歳になっても今までの経験をどう生かすかみたいな話ができない人はダメだと思う。

自分ももうすぐ26歳。若くない。

しっかり考えなければと思った本でした。

 

それでは。